雇用保険給付

このページでは、独立に向けて会社を辞めたときにもらえる2種類のお金の中でも、「雇用保険給付」について、申請の仕方から、おおよその金額、もらえるタイミングまでを詳しく説明します。
失業手当、失業保険という名前の方が一般的にはよく知られています。手続きは結構面倒くさく、また、ハローワークに何度も通うことになるので「もらわない!」という選択をする方もたまにいます。
なお、この雇用保険給付金を目一杯もらおうとすると、もらっている間(3ヶ月から最大で1年)、基本的にはお金を生み出す行為(起業はもちろん、起業の準備やアルバイト等)ができませんので、だらだら過ごさなければなりません。
また、この給付金は「働きたくても仕事が見つからない」人に給付されるものなので、形だけでも就職活動をしなければなりません。ハローワークではどんな風に仕事を探して、どんな面接を受けたか、報告必要があります。結構大変です。
こんなにだらだらしていられない!すぐに起業したという方は以下を読まずに「再就職手当て」のページへどうぞ。


■実際にいくらお金をもらえるのか?

さて、ここからは、給付金をもらいながら、のんびり過ごしたい人向けの情報です。
まずは具体的にどれくらいのお金がもらえるのかを試算してみましょう。

事例1)食品メーカー営業Aさんの場合

4月10日に、2年勤めた会社を、独立したいという自分の都合で辞めた28歳のAさん。
月々の給料は額面が26万円(手当てはなし)。手取りは22万5千円程度。
さて、いつから、いくら、お金をもらえるのでしょうか。

答え・・・8月10日前後から、約16万円を4週間ごとに3回もらえます。
合計で48万円。1日当たりの金額だと5200円です。


事例2)飲食店ホール担当Bさんの場合

同じく4月10日に、お店をたたむというオーナーの事情で、6年勤めたお店を辞めた33歳のBさん。
月々の給料は額面が28万円(手当てはなし)。手取りは24万円程度。
さて、いつから、いくら、お金をもらえるのでしょうか。

答え・・・5月10日前後から、約17万円を4週間ごとに6回もらえます。
合計で102万円。1日当たりの金額だと約5600円です。

もらえるお金の額は、
〈1〉皆さんがどれだけ会社に在籍していて
〈2〉毎月いくら給料をもらっていて
〈3〉どんな事情で会社を辞めて
〈4〉ところで、いま何歳なのか
という4つの要素が考慮されて決まります。

便利な世の中になりましたね、こちらのサイト「付失業保険シミュレーション」でより皆さんの状況に合わせた具体的なシミュレーションができます。

さて、ここまでの説明で「会社を辞めさえすればお金がもらえる」という印象を持たれた方もいるかもしれませんが、次の場合はもらえませんのでご注意ください。

1.入ってから半年未満で会社を辞めた。
2.会社を辞めて、1ヶ月以内に独立開業した。
3.会社を辞めたあと、アルバイトをしたり、他の仕事をしていた。
4.会社を辞めてから、働く気が起きなくだらだらしていた。


■もらうためにはどんな書類、また手続きが必要か?
 
会社を辞めたあと、雇用保険給付金をもらうつもりでハローワークに出かける場合、以下の書類が必要となります。
何度も言いますが「給付金なんていらない、すぐ独立開業する!」という方は、ハローワークには行かなくてもOKです。

・雇用保険被保険者離職票(基本は会社から届きます。1と2があります。両方必要です。)
・写真つきの本人確認書類(運転免許証、住民基本台帳カード等)
・写真(タテ3cm×ヨコ2.5cmの正面上半身、3か月以内に撮影)2枚
・印鑑
・本人名義の普通預金通帳(お金を振り込んでもらいたい口座のものを持っていきましょう)

これらを持ってハローワークに行くと、担当の方の人柄にもよりますが、お金のもらい方を丁寧に説明してくれます。ただ、基本的には「とっとと次の仕事を見つけて働いてくれ(給付金はもらわないで欲しい)」というスタンスで来るので、適当に相槌を打つ必要があります。
働けるのに働かない人には、給付金は支払われませんので、ご注意を。
給付金をもらっている期間のあなたのステータスは「仕事を一生懸命探しているけど、うまく見つからない。面接を受けても不採用だった。仕方が無いので、国から仕事が見つかるまでの生活を支援してもらう」です。
これに加えて、独立する場合はさらに注意が必要です。ハローワークで最初に「独立するつもりです!」なんて言ってしまうと「あ、じゃあ頑張ってください!そんなにバイタリティあるなら、国の支援は必要ないですね」となって、給付金はもらえなくなります。
「頑張って仕事も探したけど、なかなかうまくいかない・・・。こうなれば思い切って独立しよう!」というのが、給付金の満額受給⇒独立のたてまえ的な流れです。
給付金の受給期間中に独立開業した場合は、そこまでで給付金は打ち切りになります。もしくは、残りの給付期間によっては、 「再就職手当て」がもらえます。はい、独立した場合でも、名称は再就職手当てとなります。



以上が概要ですが、もっと詳しく知りたい方は、実際にハローワークで相談するか、以下のハローワークのオフィシャルサイトをご覧ください。

雇用保険に関するハローワークの公式説明ページ

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